京浜間の鉄道事情を考えてみた
2006年10月12日 鉄道・交通網横浜市はこんなプランを考えています。
http://www.city.yokohama.jp/me/toshi/dcond/keihin/master/tosikiban.html
京浜臨海部の活性化のため、「京浜臨海線(仮称)」の整備・事業化を検討中とのこと。
具体的には、桜木町〜高島〜鶴見および浜川崎〜東京貨物ターミナルの既存の貨物線、それに鶴見線の弁天橋〜浜川崎という既存の線路を活用、高島〜弁天橋および東京貨物ターミナル〜品川・浜松町方面に新路線を建設し、京浜間の新たな交通ルートを作成しようとしているものです。
(桜木町〜浜川崎間は既存の東海道貨物支線を活用するというプランもあるようですが、これはあまり意味がないと思われます)
京浜工業地帯から企業の工場が撤退し、現在は大黒・末広地区を中心に産学協同の研究の地として変わりつつあるこの地域の活性化を考えることは、地元自治体としては当然のことだと思いますが、ここでふと思ったんです。
この計画の起点は、桜木町。
朝夕の通勤ラッシュ緩和をも狙っている路線という位置付けもありますが、それならば果たして桜木町起点でいいのだろうか、と。
あまり自分は朝ラッシュというものを体験したことがないのですが、数少ない経験からしても、京浜東北線のラッシュは大森〜品川がかなり混雑するものの、それ以南ではさほどではない。
むしろ、東海道線の横浜〜品川間の方が、殺人的とも言える混雑になっているわけです。
ならば、桜木町起点だとその緩和策として、あまりにも無効ではないのか、と。
根岸線の大船〜桜木町間は貨物列車も通っているくらい、線路容量に比較的余裕はあります。
ならば、東海道線の一部列車を、根岸線・京浜臨海線経由で走らせたら、それは効果的な策になるであろうと考えます。
但しこの区間を、東海道線の列車を各駅停車で走らせるのはどうかと思う。
ならば快速運転、という考えになりますが、この区間で待避できる駅は全くありません。
そもそも、そういう発想なしに作られた路線ですので。
仮に快速運転するとすれば、停車駅は大船・港南台・磯子・石川町・関内・桜木町、くらいに設定されそうですが、やはり待避できる設備がどうしても、途中1駅くらいは必要になるだろうと思います。
現実的に建設できそうなのは、洋光台くらい?
新杉田あたりも何とかなりそうですかね、っていうか、その辺じゃないと意味なさそうですけど…。
そもそも、新規区間として工事予定の、高島町〜弁天橋、それと都心部分が物理的に路線を設置できるのかが微妙なところだと思います。
前者、現実的には守屋町〜弁天橋間に設置することになりますが、極力現有線路を活用するとすれば、廃止された新興駅付近の線路を活用して、出田町埠頭を縦断する新しい路線、それに新興駅〜弁天橋への京浜運河を渡る線路を敷けばいいということになるでしょうが、新興駅にあった踏切はもちろん邪魔ですから、あの部分は地下化するしかないところ。
そうなると、京浜運河の下を掘るわけだから、かなり深くなりますが、出田町埠頭もそれでクリアできれば問題ないことになります。
(新興駅付近のところだけ、高架化できる可能性もあるだろうし)
問題は後者部分で、この辺がいろんなHP・資料を見てもとても曖昧に書かれているのですが、実際には東京貨物ターミナル駅から天王洲まで、りんかい線の線路とつながっているものの、その付近にはりんかい線の車庫もあり、実質線増しないとクリアできない、そこ以北も都心部に入りますから、品川に地下で乗り入れるくらいでないと、実現はとても難しそうです。
ただ一つ、天王洲付近と品川へのアクセスが、この鉄道ができることで格段によくなるのは間違いないことですね。
(天王洲から浜松町までは、東京モノレールが走ってますから重複するのは無駄だと思うし)
いっそのこと、無理に都心に乗り入れず、そのままりんかい線に乗り入れて東京湾岸地区へアクセスしてしまうのも、一手かと。
さて、一番問題だと思われるのは、この新規路線にどの程度の需要があるのか、ということだと思いますが、現在京浜間には、
・JR東海道線
・JR横須賀線
・JR湘南新宿ライン
・JR京浜東北線
・京急本線
・東急東横線
と、これだけの路線が走っているわけです。
現状では確かに、各路線とも朝夕のラッシュ時はかなり混雑していますが、現実的な2007年問題、それに今後の少子化の流れを考えると、通勤需要が落ち込んでくるのは間違いないこと。
はっきりした数字を把握していませんが、今後の10年単位のスパンで考えても、各路線とも乗車率は10%単位で緩和されていくという見通しもあります。
これらの状況を踏まえても、この京浜臨海線にどの程度需要があるのか、都心部まで乗り入れる必要があるのか(東京へ乗り入れず、鶴見線の活性化で何とか解決できないか)、慎重な判断をしていただきたいところです。
実際に、横浜市は交通局事業にて路線バスの大リストラを実行中で、交通予算にあまり比重をかけにくい一面も持っていることと思いますし、現中田市長の政権下でこういう事業にはあまり手を出さないのではないか、ということも充分考えられます。
趣味的には非常に面白い路線だと思うので(笑)、個人的にはできれば作り上げて欲しいと思うんですけどね(^^;。
http://www.city.yokohama.jp/me/toshi/dcond/keihin/master/tosikiban.html
京浜臨海部の活性化のため、「京浜臨海線(仮称)」の整備・事業化を検討中とのこと。
具体的には、桜木町〜高島〜鶴見および浜川崎〜東京貨物ターミナルの既存の貨物線、それに鶴見線の弁天橋〜浜川崎という既存の線路を活用、高島〜弁天橋および東京貨物ターミナル〜品川・浜松町方面に新路線を建設し、京浜間の新たな交通ルートを作成しようとしているものです。
(桜木町〜浜川崎間は既存の東海道貨物支線を活用するというプランもあるようですが、これはあまり意味がないと思われます)
京浜工業地帯から企業の工場が撤退し、現在は大黒・末広地区を中心に産学協同の研究の地として変わりつつあるこの地域の活性化を考えることは、地元自治体としては当然のことだと思いますが、ここでふと思ったんです。
この計画の起点は、桜木町。
朝夕の通勤ラッシュ緩和をも狙っている路線という位置付けもありますが、それならば果たして桜木町起点でいいのだろうか、と。
あまり自分は朝ラッシュというものを体験したことがないのですが、数少ない経験からしても、京浜東北線のラッシュは大森〜品川がかなり混雑するものの、それ以南ではさほどではない。
むしろ、東海道線の横浜〜品川間の方が、殺人的とも言える混雑になっているわけです。
ならば、桜木町起点だとその緩和策として、あまりにも無効ではないのか、と。
根岸線の大船〜桜木町間は貨物列車も通っているくらい、線路容量に比較的余裕はあります。
ならば、東海道線の一部列車を、根岸線・京浜臨海線経由で走らせたら、それは効果的な策になるであろうと考えます。
但しこの区間を、東海道線の列車を各駅停車で走らせるのはどうかと思う。
ならば快速運転、という考えになりますが、この区間で待避できる駅は全くありません。
そもそも、そういう発想なしに作られた路線ですので。
仮に快速運転するとすれば、停車駅は大船・港南台・磯子・石川町・関内・桜木町、くらいに設定されそうですが、やはり待避できる設備がどうしても、途中1駅くらいは必要になるだろうと思います。
現実的に建設できそうなのは、洋光台くらい?
新杉田あたりも何とかなりそうですかね、っていうか、その辺じゃないと意味なさそうですけど…。
そもそも、新規区間として工事予定の、高島町〜弁天橋、それと都心部分が物理的に路線を設置できるのかが微妙なところだと思います。
前者、現実的には守屋町〜弁天橋間に設置することになりますが、極力現有線路を活用するとすれば、廃止された新興駅付近の線路を活用して、出田町埠頭を縦断する新しい路線、それに新興駅〜弁天橋への京浜運河を渡る線路を敷けばいいということになるでしょうが、新興駅にあった踏切はもちろん邪魔ですから、あの部分は地下化するしかないところ。
そうなると、京浜運河の下を掘るわけだから、かなり深くなりますが、出田町埠頭もそれでクリアできれば問題ないことになります。
(新興駅付近のところだけ、高架化できる可能性もあるだろうし)
問題は後者部分で、この辺がいろんなHP・資料を見てもとても曖昧に書かれているのですが、実際には東京貨物ターミナル駅から天王洲まで、りんかい線の線路とつながっているものの、その付近にはりんかい線の車庫もあり、実質線増しないとクリアできない、そこ以北も都心部に入りますから、品川に地下で乗り入れるくらいでないと、実現はとても難しそうです。
ただ一つ、天王洲付近と品川へのアクセスが、この鉄道ができることで格段によくなるのは間違いないことですね。
(天王洲から浜松町までは、東京モノレールが走ってますから重複するのは無駄だと思うし)
いっそのこと、無理に都心に乗り入れず、そのままりんかい線に乗り入れて東京湾岸地区へアクセスしてしまうのも、一手かと。
さて、一番問題だと思われるのは、この新規路線にどの程度の需要があるのか、ということだと思いますが、現在京浜間には、
・JR東海道線
・JR横須賀線
・JR湘南新宿ライン
・JR京浜東北線
・京急本線
・東急東横線
と、これだけの路線が走っているわけです。
現状では確かに、各路線とも朝夕のラッシュ時はかなり混雑していますが、現実的な2007年問題、それに今後の少子化の流れを考えると、通勤需要が落ち込んでくるのは間違いないこと。
はっきりした数字を把握していませんが、今後の10年単位のスパンで考えても、各路線とも乗車率は10%単位で緩和されていくという見通しもあります。
これらの状況を踏まえても、この京浜臨海線にどの程度需要があるのか、都心部まで乗り入れる必要があるのか(東京へ乗り入れず、鶴見線の活性化で何とか解決できないか)、慎重な判断をしていただきたいところです。
実際に、横浜市は交通局事業にて路線バスの大リストラを実行中で、交通予算にあまり比重をかけにくい一面も持っていることと思いますし、現中田市長の政権下でこういう事業にはあまり手を出さないのではないか、ということも充分考えられます。
趣味的には非常に面白い路線だと思うので(笑)、個人的にはできれば作り上げて欲しいと思うんですけどね(^^;。
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