尼崎事故とATS-P(新型ATS)
2005年5月4日 鉄道・交通網まず、尼崎の列車事故で尊い命を落とされた方にご冥福をお祈りするとともに、ご遺族の方には謹んでお悔やみ申し上げます。
また、お怪我をなさった方々も、一日も早い回復を願っております。
正直、自分は関西方面の鉄道事情はよく知りません。
が、ATSはJRに関しては全国どこでも基本は同じ。
今回も、国土交通省は「新型ATS(ATS-P)を導入しなければ、運転再開を認めない」旨の発表をしておりますが、そりゃちょっと違う…、と思い、2ヶ月半ぶりに(爆)書くことにしました。
すでにいろんなメディアでATSなどの鉄道保安システムについて解説されていますが、改めて整理すると、
・ATS(旧型)…信号が「停止」現示(赤信号)の時、車内警報器が鳴り運転士が5秒以内にブレーキをかけて確認ボタンを押して、信号を確認する。無視すると非常ブレーキがかかる。
・ATS-P(新型)…信号が「停止」現示のほか、「減速」(黄色と緑色の信号)や「注意」(黄色信号)、「警戒」(黄色二つの信号)のそれぞれの現示がなされている時、それぞれ指示されている速度以下(会社・路線によって異なる)に減速して信号機(閉塞区間)に入らないと、常用最大ブレーキがかかって減速する。「停止」現示の時は非常ブレーキがかかる。
・ATC…地上に設置されている信号機の代わりに、運転台にある速度計に指示される速度信号に従って運転する。現示以上の速度を出すと、自動的に常用最大ブレーキがかかる。
今回問題になっている保安システムはこの3つかと思いますが、今回事故の起きたカーブで減速させるためには、いくら新型ATSを導入しても常に何らかの減速信号を出さなければいけないのです。
ちなみにATCの場合は、常にその区間はある速度以下で、という設定ができるようですが、ATSではそこまでできない。
つまり、自分が考えるに、今回のような事故を保安システムだけで防ごうと思うなら、ATCでも導入しなければ無理じゃないのか、と思うんです。
もし、ATS-Pが定点で減速パターンを設定できるのなら大丈夫かとは思いますが…。
いずれにせよ、JR西日本も6月にはATS-Pを導入予定で、前倒しして導入する意志はあるようなので、今月中には運転再開にこぎつけられると思います。
しかし、今回の事故の背景は保安システムだけの問題ではないのは周知のことで、特に京阪神間の他社との競争を意識してきた関西アーバンネットワーク全体で(もちろん鉄道会社全体に言えることだと思いますが)、スピード競争も確かに大事だけれど、まずは安全確保を、という意識を特に会社上層部が持つことが大事なんじゃないかなー、なんて思います。
鉄道事故を起こさないで欲しいということ…。一鉄道ファンとしての、切なる願いです。
また、お怪我をなさった方々も、一日も早い回復を願っております。
正直、自分は関西方面の鉄道事情はよく知りません。
が、ATSはJRに関しては全国どこでも基本は同じ。
今回も、国土交通省は「新型ATS(ATS-P)を導入しなければ、運転再開を認めない」旨の発表をしておりますが、そりゃちょっと違う…、と思い、2ヶ月半ぶりに(爆)書くことにしました。
すでにいろんなメディアでATSなどの鉄道保安システムについて解説されていますが、改めて整理すると、
・ATS(旧型)…信号が「停止」現示(赤信号)の時、車内警報器が鳴り運転士が5秒以内にブレーキをかけて確認ボタンを押して、信号を確認する。無視すると非常ブレーキがかかる。
・ATS-P(新型)…信号が「停止」現示のほか、「減速」(黄色と緑色の信号)や「注意」(黄色信号)、「警戒」(黄色二つの信号)のそれぞれの現示がなされている時、それぞれ指示されている速度以下(会社・路線によって異なる)に減速して信号機(閉塞区間)に入らないと、常用最大ブレーキがかかって減速する。「停止」現示の時は非常ブレーキがかかる。
・ATC…地上に設置されている信号機の代わりに、運転台にある速度計に指示される速度信号に従って運転する。現示以上の速度を出すと、自動的に常用最大ブレーキがかかる。
今回問題になっている保安システムはこの3つかと思いますが、今回事故の起きたカーブで減速させるためには、いくら新型ATSを導入しても常に何らかの減速信号を出さなければいけないのです。
ちなみにATCの場合は、常にその区間はある速度以下で、という設定ができるようですが、ATSではそこまでできない。
つまり、自分が考えるに、今回のような事故を保安システムだけで防ごうと思うなら、ATCでも導入しなければ無理じゃないのか、と思うんです。
もし、ATS-Pが定点で減速パターンを設定できるのなら大丈夫かとは思いますが…。
いずれにせよ、JR西日本も6月にはATS-Pを導入予定で、前倒しして導入する意志はあるようなので、今月中には運転再開にこぎつけられると思います。
しかし、今回の事故の背景は保安システムだけの問題ではないのは周知のことで、特に京阪神間の他社との競争を意識してきた関西アーバンネットワーク全体で(もちろん鉄道会社全体に言えることだと思いますが)、スピード競争も確かに大事だけれど、まずは安全確保を、という意識を特に会社上層部が持つことが大事なんじゃないかなー、なんて思います。
鉄道事故を起こさないで欲しいということ…。一鉄道ファンとしての、切なる願いです。
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